ナイチンゲールと聞くと、看護で有名な人くらいの認識の方が多いと思います。
でも、彼女の著書『看護覚え書』は、実は現在の住宅にも通ずることが沢山あります。
彼女の有名なエピソードとして『クリミアの天使』があります。
これは19世紀のクリミア戦争の際に、負傷者を治療する兵舎病院での死亡率が極めて高かったことへの対策として、衛生環境の改善を提言しました。これにより死亡率が42%から3カ月で5%まで抑えることに成功しました。
後に分かったことですが、病院内の不衛生により感染症が蔓延したことが原因でした。
彼女は従軍を終えた後、統計学の先駆者となり、統計に基づく医療衛生改革を成し遂げました。
その過程で生まれたのが『看護覚え書』です。
この書は13章に分かれており、その始めが
第1章 換気と暖房
となっています。
この章でナイチンゲールは、看護が第一にしなければならないことは
「患者の呼吸する空気を、患者の身体を冷やすことなく、屋外の空気と同じ清浄さに保つことでなのである」
と述べています。
看護とは基本的に、『不健康な状態』を『健康な状態に変える』ことが目的です。
なので、健康な人が『健康な状態に変える』環境で生活すれば、不健康になりにくいと言えます。
これを家に置き換えるとどうでしょう。
まず「身体を冷やすこと」への対策はシンプルにエアコンが一番です。
但し、近年話題になっているヒートショックがあるので、単に部屋が寒くなければ良いのではなく、家全体が寒くない方が良いので、
・断熱等級3
・全館空調
などがより良い選択になると思います。
特に全館空調であれば年中暑過ぎず、寒過ぎないので、快適に過ごすことが出来ます。
つぎに「屋外の空気と同じ清浄さに保つ」への対策として、第一種換気システムが挙げられます。
第一種換気は、家の中に空気を取り込む「給気」と外に排出する「排気」両方を機械で換気する方式です。
この機械に熱交換器を付けると、内外部の気温差が大きいときに換気で失う熱量を少なくして空調負荷を軽減してくれます。
では、断熱等級3で第一種換気システムを入れれば十分かと言えば、そうではありません。
「屋外の空気と同じ清浄さ」には埃などの空気の汚れ以外にも、湿気が大きく影響します。
最近の家でよく採用される
[断熱材] グラスウール
[壁 紙] ビニールクロス
[床 材] 複合フローリング
という建材があります。これらの製品には欠点があり、
グラスウールは湿気を含むと断熱性能が低下し、カビが繁殖して空気の質が低下します。
ビニールクロスは湿気を通さないので、部屋の中に湿気が滞留し、同様にカビの温床になります。
複合フローリングも表面が塗装されている製品が多く、ビニールクロスと同様に湿気が滞留しやすいです。
上記で挙げたものはいずれも工業製品の為、大量生産が容易で安価ということが特徴ですが、「清浄さ」という観点から言えば、あまり良いとは言えません。
その点、自然素材の[断熱材][壁紙][床材]を利用すれば、吸湿性があるので湿度を抑えることができ、第一種換気システムと合わせるとより「屋外の空気」に近づけることが出来ます。
これから健康な生活を意識される方は、『全館空調』『自然素材』を軸に家づくりを進めることをおススメします。
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経営企画 阿部 誠史
YUKi-NOiEの経営企画、経理を担当しています。お客様に寄り添い、つながりを大切にしたお付き合いを心がけております。
趣味はマラソン、自己ベストは2時間41分54秒です。ロードバイク、トライアスロンに向けて挑戦中。
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