『他人のモノサシ』だけで家を建てると後悔する…
もうすぐ夏のバーゲンセールが始まりますが、事前に目当ての服を決めて、それが安くなったから買おうと計画される方はどの程度いるでしょうか?
ほとんどの方が、
バーゲンで安いからモールに行ってみよう⇒安いから買おう
と思って、たくさん買ってしまう。
それがお店側の狙いではありますが、それは本当に欲しいモノだったのでしょうか?
買うモノに意図や理由を明確にすることって、実は結構難しいですよね。
消耗品や服は必要性や好み/閃き、衝動で決めることは多いですが、
車や家などの高額なモノは衝動買いすることは殆ど無いと思います。
数あるモノから、
趣味嗜好や予算金額などを基準に候補を選んでいき、
その中から選び抜かれたモノを購入することになります。
そうした取捨選択の中で、実は
「本当は譲れなかったコト」
「見落としたコト」
「予算を超えるから削ろう」
などの要素が含まれていることがあります。
逆に
「インスタで紹介されてたモノがオシャレだから欲しい」
「吹き抜けは広く感じるからおススメ!」
など、人がおススメ/紹介されたモノを見て、選ぶパターンもあります。
そうやって選んでも、自分の中で腑に落ちていれば良いですが、これが後悔となる場合も少なくありません。
特にこの情報化社会では、「賢く買おう」「正しい買い方」のように皆の正解はコレみたいな情報が溢れています。
「〇〇の方、必見!おススメ5選!!」
「絶対後悔しない為の〇〇」
「失敗しない選び方」
というフレーズは皆さんどこかで見たことがあると思います。
さらに販売促進として、「高スペック」や 「次世代なんとか」というような新しい基準、 補助金もあります。
家づくりで代表的なものを挙げれば、断熱等級や耐震等級、ZEH、長期優良住宅などがこれらに当たります。
これらを指標として、
「おススメされて、良いモノだから欲しい」
「これなら間違いないから大丈夫」
「補助金が早い者勝ちなら、すぐ買おう」
となることはありませんか?
しかし考えて頂きたいのは、これらは全て『他人のモノサシ』が評価基準になっているという事です。
例えば、
「寒い家は嫌だから断熱等級6は必須」
「吹き抜けは絶対欲しい」
この2つを満たす家を建てたからといって満足できる家ができるか、
というと疑問が残ります。
まず断熱等級の要件としては
UA値(屋内、屋外の熱が通りにくいと低くなる)
ηAC値(低いほど日射が入りにくく、冷房効率が高い)
の2つの値が基準を満たしているかで等級が決まります。
これは極端な話、壁を厚くして、窓を減らす/小さくすれば、この値は小さくなる=等級が高くなります。
では、断熱等級が高いだけで寒くない家と言えるのでしょうか?
単純に冬でも家の中を暖めるなら、各部屋にエアコンをつけてフル稼働させれば、最低限の断熱性能でも暖かくなります。もちろん断熱等級が高ければ暖房効率は良くなるので、等級が高いに越したことはありません。
吹き抜けにすれば暖房効率は下がりますが、それでも大容量エアコンにすれば対応は出来ます。
でも、必要十分なエアコン台数や換気機能がないと、断熱等級に関わらず寒くなってしまうことはあります。
これが本当に欲しかった家なのでしょうか?
エアコンはフル稼働して電気代は高いし、吹き抜けだけど窓が小さくて、思ったより暗いし、開放感が無い。電気代下げるために使わない部屋はエアコン切るけど、寝る1時間前にはエアコンを点けないと・・・
みたいな事になったら、何のために家を建てたのか分かりません。
ここでの問題は『目的』と『手段』が区別されていない事です。
本来の家を建てる『目的』が
「一年中過ごしやすい家に住みたい」
「開放感のあるリビングがいい」
であったとしても、様々な情報に触れる中で、
「断熱等級6の家は暖かい」
「吹き抜けがあると、多少リビングが狭くても開放的に感じる」
と言った『手段』に注目をして、本来の『目的』を見失うということはよくあります。
実際問題として、
家を建てる方(施主)のほとんどが建築の専門家ではないので、
判断基準の一つとして『他人のモノサシ』は必要になります。
しかし、ここで一番大事なことは『自分のモノサシ』で本当に欲しいモノかを判断することです。
では『自分のモノサシ』を明確に出来なければ、家づくりが出来ないのかというと、そうではありません。
家づくりを始める方のほとんどが、ぼんやりとでも『自分のモノサシ』のイメージを持っているものです。
あとはその『自分のモノサシ』に沿って、なんとなく良いと思った工務店でアタリの担当者に出会えれば、『自分のモノサシ』を明確に/具体的にしてくれます。
もちろんハズレの担当者もいます。
自分の売上を最優先に考えて、上手く話を持って行って、早くクロージング(成約)する。
典型的な例を言うと、
「今なら特典で〇〇をつけます/補助金がもらえます」
「このタイミングで成約しないと、納期が遅くなります」
「他社よりもこれだけ値引きします」
など、お金やモノと言った分かりやすい『他人のモノサシ』で歩み寄ってきます。
もちろん、それで『目的』が達成されるモノを手にすることが出来れば良いですが、単に『目的』から『手段』に目先を変えているだけという手法があります。
これって、買う人(施主)の事をちゃんと考えていないので、社会に貢献すべき企業がこんなことをして正しいのかなと疑問に思いますが…
もし心当たりのあるフレーズが出てきたら十分にご注意ください。
本当に良い家づくりは、家の「間取り」や「性能」のような『他人のモノサシ』を提案するのではなく、
「暮らし」という『自分のモノサシ』に合ったモノを提案することだと思いますので、是非参考にしてください。
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経営企画 阿部 誠史
YUKi-NOiEの経営企画、経理を担当しています。お客様に寄り添い、つながりを大切にしたお付き合いを心がけております。
趣味はマラソン、自己ベストは2時間41分54秒です。ロードバイク、トライアスロンに向けて挑戦中。
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