高気密・高断熱の落とし穴

住み心地の良い住宅とは・・・

最近では住宅会社のセールスポイントとして『高気密・高断熱』をよく見かけると思います。
これは本当に住み心地の良い住宅なのでしょうか？

『高気密・高断熱』が評価される背景として、昨今の日本では
　夏は暑すぎて熱中症
　冬は寒すぎてヒートショック
というニュースをよく見ます。

家の中での健康リスクは年々注目度が増しており、
安心して老後まで暮らせる家は健康寿命を延ばす観点からも大事なポイントになっています。
また新築を検討されている方の中には
「寒い家はもう嫌だ」
「高性能住宅に住みたい」
と考えている方も多いので、
『高気密・高断熱』というキャッチフレーズは分かりやすいものだと思います。

しかし、安易に『高気密・高断熱』を選んでしまうと失敗することもあるので、
しっかりメリット／デメリットを把握した上で購入の判断をしていただければと思います。

まずメリットとしては
・光熱費を節約できて省エネ
・隙間が少ないので外部から入ってくる花粉をシャットアウト
・防音性が高い
などが挙げられます。
当然、『高気密・高断熱』という高機能を追加すれば建設費用も高くなりますが、それに見合った効果が得られるように見えます。

しかし、デメリットとして
・期待したよりも暑い／寒い
・窓が少なくて暗い印象になる
・結露やカビの発生
・アレルギー性疾患が悪化
　なんだか気持ち悪い感じがする
などの失敗例が挙がっています。

それぞれの原因を考えてみます。

・期待したよりも暑い／寒い
非常に高い断熱性能から、空調機器を使用せずに快適に暖かく（涼しく）過ごせると思われがちです。
しかし、エアコンが効きやすいというだけで、結局は冷暖房機器の性能によるところが大きいです。

・窓が少なくて暗い印象になる
気密性を高くするのに手っ取り早いのが窓を少なくすることです。
せっかくの新築でも暗い印象になるのは嫌ですね。
また、もし庭を造っても開放的な窓を設置できないのは勿体ないですよね。

・結露やカビの発生
従来の低気密住宅では、隙間風があることによって湿気が逃げるため、緻密な空調計画を立てる必要はありませんでした。
しかし、高気密住宅では湿気が逃げる経路が限られています。
適切な空調計画を立てなければ、湿気は蓄積され、カビやダニの温床となる可能性があります。
これは住んでみないと分からないので、住まいの見学会（OB宅訪問）などで、実際に住んでいるオーナーの声を聴いてみるのが良いです。

・アレルギー性疾患が悪化する、なんだか気持ち悪い感じがする
アレルギー性疾患で代表的なものはシックハウス症候群です。
建材に使われている塗料や接着剤などに含まれる化学物質により発症しますが、
前述と同様に緻密な空調計画で十分な換気が行わなければいけません。

また空気の逃げ場のない高気密住宅で生活すると、空気中の二酸化炭素が多くなる恐れがあります。
換気不足の高気密高断熱住宅は、満員電車に匹敵するほど酷い空気環境になることもあります。
空気中の二酸化炭素が多くなると、
　気分が悪くなる
　息苦しさを感じる
　頭痛がする
　集中力が低下する
などの症状が出る方もいます。
また、酸欠状態になると、睡眠の質にも影響が出ます。
室内の換気不足が、睡眠の問題の原因かもしれません。

以上のように、一概に『高気密・高断熱』住宅だからと言って、良い住宅とは言えません。
もちろん緻密に計算・計画された住宅も多数ありますので、しっかりと見極めが必要です。

しかし、『高気密・高断熱』でなくても住み心地の良い住宅はあります。
私たちがご提案するYUKi-NOiEもその一つです。
注文住宅による自由設計に加えて全館空調を採用して、より良いお住まいを提案していますが、建材にもこだわりを持っています。

その一つとして断熱材に自然素材セルロースファイバー（デコスファイバー*）を採用しています。
*デコスファイバーの詳しい内容は⇒こちら

デコスドライ工法
セルロースファイバーは木質繊維が原料となっており、高断熱に加え、防音や調湿性能を兼ね備えています。
空気中の湿度を調整するので、夏は湿気を吸い、冬は湿気を放出してくれます。
またフローリングで使う無垢材や、壁材で採用頂く薩摩中霧島壁（火山灰が原料）も同様に調湿効果があります。
つまり家を構成する建材自体が呼吸をしていることになります。