そのできる年齢、性別問わず、平屋建てのお住まいを望まれる方が増えております。
しかしながら、斜面地の多い別府市の場合、面積の広い平地を見つけることは困難です。
そこで、実際に平屋を建てる際に必要な面積や敷地の条件についてお話していきたいと思います。
■目 次
平屋建てのメリット・デメリット
平屋建てのお住まいを建てるために必要な敷地面積
注意しなければいけない敷地条件
限られた敷地で『平屋建て』の暮らしを実現するための設計の工夫
まとめ
◯平屋建てのメリット・デメリット
・日頃のメンテナンスが楽
平屋建ての場合、階段を使っての上下移動が無いため、移動によるストレスが非常に少ないです。
お掃除ロボット等を使用する際も扉さえ開けておけばお家全体を1台だけで掃除してくれます。
また、外装の清掃やメンテナンスを行う際にも屋外作業用の足場等が必要なく、大半の作業は脚立のみで行うことができます。
・生活動線が短く、住まい易い
メインのLDK空間を中心に各部屋や水廻りに最短で行ける動線計画にし易く、また回遊性も確保し易いというメリットもあります。
・階段などの通路スペースが少なくなる
2階建ての住まいと違って、階段とそれに付随する階段ホールが無いため、移動のためだけの通路スペースをかなり削減することができます。
一般的な2階建てのお住まいで階段、階段ホールを合わせると4帖程の面積になるため、小さいお部屋1つ分のスペースを削減するこが可能です。
・建設コスト増加
平屋建ての最大のデメリットとして、コスト増加が上げられます。
理由としては屋根とRC基礎の施工面積増加です。
具体的な数値で言うと30坪程度の総2階建てお住まいと比較すると2割程度コストが余分にかかります。
なので、30坪の総2階建てお住まいを建てる場合と25坪の平屋が大体同じくらいの建設コストとなります。
もちろん必ずしも全てそうだとは言えませんが、目安としてはそのくらいです。
・通風や採光の確保に注意が必要
平屋建ての場合、全てのお部屋が1階にレイアウトされるため、どうしても窓が少なく、北側にだけ面したお部屋などができがちです。
快適なお住まいに必要な風通しや日射採光を確保するために、平面形状を工夫したり、ハイサイドライトの採用などを行うことが必要です。
◯平屋建てのお住まいを建てるために必要な敷地面積
・平屋建てのお住まいの面積
1.夫婦お二人の場合→20坪前後の方が多いです。25坪あると少しゆとりがある感じに仕上がります。
2.夫婦2人、小人2人の場合→25坪前後の方が多いです。30坪あるとかなりゆとりのある印象を受けます。
以前、弊社で建設された30坪の平屋では5LDKと別に玄関クロークやウォークインクローゼットがあり、尚且つLDKを30帖の広さを確保することができました。
・計画するために必要な敷地面積
敷地面積が広い方がプランの自由度は増しますが、20坪程度の平屋であれば、50坪程度から計画は可能です。目安としては下記の通りです。
床面積 | 必要敷地面積 |
20坪 | 50坪 |
25坪 | 60坪 |
30坪 | 70坪 |
あくまでも目安です、駐車場の台数やお庭の広さをコンパクトに抑えるとも少し小さい土地でも計画は可能です。
◯注意しなければいけない敷地条件
・敷地の周辺条件
周囲に高さの高い建物が建っている場合、十分な採光が確保できない場合があります。その場合、大きな窓を設ける位置や天窓の設置などの工夫が必要です。
・風致地区
風致地区は、都市の良好な自然的景観を形成している土地の区域のうち、土地利用計画上、都市環境の保全を図るため風致の維持が必要な区域について定めるもので、別府市においては、山の手、実相寺荘園、野田、鶴見、十文宇原の5つの地域があります。別府市の風致地区には3種と4種の2つの種類があり、建物の高さや建ぺい率、敷地境界線からの後退距離などの制限が設けられております。
風致地区内建築制限 | ||||||
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通常の敷地と比較すると建てることができるお住まいの1階部分の面積制限が厳しくなるため、注意が必要です。
・がけ条例
傾斜や敷地の高低差が大きな場合は、がけとして扱われることがあります。
敷地ががけに該当すると、条例に合わせて建設可能な範囲まで建物を後退して建築すかもしくは基準を満たしたEC擁壁を建てるなどの対応が必要となります。
※がけとは・・・高さが2mを超え、かつ地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で硬岩盤(風化の著しいものをの除く)以外のもの
◯限られた敷地で『平屋建て』の暮らしを実現するための設計の工夫
以上のような条件を完璧に満たした土地はそうそう見つかるものではありません。
ただ、そういった場合でも工夫次第で平屋の暮らしを手に入れることは可能です。
・出来るだけ無駄な廊下を作らないコンパクトな平面計画
移動のためにしか使用できない通路すぺーす(無駄な廊下)を極力設けないようにすることで、居室や収納として使えるスペースを増やすことができます。
また、造り付け家具や壁面収納を設けることも有効です。
その場所に合わせて無駄なく収納スペースを設けることがで、市販の収納家具と比較して収納スペース多く確保することが可能です。
・小屋裏空間を活用する
面積を抑えるために小屋裏空間を活用するということも有効です。
一般的なお部屋程の天井高さがなくても書斎や収納スペースとしてであれば十分に活用できます。
・『半平屋』という選択肢
敷地畝面積が足りず、どうしても完全な平屋建てが難しい場合には、LDKや寝室、水廻りを全て1階に配置し、子ども室のみを2階に設けるというほぼ平屋のような間取りの『半平屋』も有効です。
ご夫婦の生活圏は完全に1階だけで完結するので、平屋で暮らしているのとほぼ変わりません。更に屋根のつくり方次第では外観上も平屋のように見せることも可能です。
◯まとめ
このように平屋のお住まいを実現するには、一般的な総2階建てのお住まいに比べて土地選びの段階から注意すべき点が多々あります。
特に条例に関するものに関しては専門的な知識を有している方に意見をもらう方が確実です。
具体的な土地探しを始める前の段階から工務店さんや設計士さんに相談すと良いでしょう。
しかしながら、全ての条件が満たされていなくても設計の工夫次第で平屋のような暮らしを手に入れることは可能です。
これからお住まいづくりをお考えの方は是非、ご一考してみてください。
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設計 幸 康史
YUKi-NOiEの設計を担当しています。お客様のご希望はもちろん、建物の建つ敷地の特性を活かした住まいづくりを心がけております。
趣味はマラソン、自己ベストは2時間52分42秒です。
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