マンション・アパートに住んでいて、冬はすごく冷えると思ったことがある方もいると思います。
冷えの問題については、住居の構造が大きく影響しています。特に住宅品質確保促進法が施工される2000年以前のマンションなどは建築コストを抑えるために直床工法が多く見受けられます。
直床工法とはコンクリートの上にフローリングを直接張っている床です。意識して直床工法の床を歩くと、コンクリート特有の床の固さ・冷たさを感じることができます。直床はコスト以外にも天井が高くなるといったメリットもあります。
直床
しかし、デメリットとして冬は冷え切ったコンクリートの温度が直に部屋へ伝わってしまい、底冷えの要因になります。また料理など立ち作業をするにも固いコンクリートの上に立っているので、身体にも負荷を与え、腰痛などの病気にもなってしまいます。
さらに賃貸ではフローリングが木材でなく塩ビ(合成樹脂の一つ)を使用している場合もあります。塩ビは木材よりもコンクリートの固さを直接感じることになり、身体への負担もさらに大きくなると言えます。また塩ビは、最も添加剤を多く含むプラスチックのひとつで、塩ビのダストは喘息・アレルギー症状の関連性(Bornehag et al. 2004, Bornehag et al. 2005)や、子どもに見られる発達障害の1つであるADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)との関連性が指摘されています(Kim et al. 2009)。
このように直床はコストを抑える代わりに、健康被害のリスクを負ってしまうという事がありますので、家探しの場合はご注意ください。
付け加えると、中古マンションの購入・リノベーションを検討中の方が知っておくべきこととして、直床は、大規模なリノベーションがしづらいという点です。直床の場合には、配管類が通っている部分だけ二重床になっています。そのため、配管類に影響が出るような水回りの変更が難しくなります。例えばキッチンやトイレ、浴室、洗面所などの場所を大きく変えるリノベーションには向いていないということになります。
直床工法の対比としては、マンションの2重床と一軒家の構造などが挙げられます。マンションの2重床はコンクリートの上に支持ボルトで合板・フローリングを支えることで、床下空間を作ります。一軒家でも似たような構造ですが、支持ボルトではなく、立ち上がり(コンクリート等)と大引きで合板・フローリングをしっかり支える造りになっています。
2重床
マンションでの2重床のメリットとしては、
・メンテナンスがしやすい
・クッション性が高い
・軽量衝撃音が伝わりにくい
・リノベーションの際に間取り変更等の自由度が高い
事が挙げられます。また直床よりも比較的底冷えしにくいです。但し底冷えの問題は、床以外にも建物の断熱構造などの要因がある為、一概には言えません。
対して、弊社で多く採用頂いているOMソーラーは住宅の基礎(コンクリートの部分)とフローリングの間に太陽光で温めた暖かい空気を流すことで床下が底冷えすることなく、冬場は家全体を暖かく保つことができます。また基礎部分にも断熱材を敷いているので、家全体が外気からの冷気をシャットアウトしている状態になっています。
さらにフローリングは無垢材を使用しているので、化学物質を含まないから安心で、ぬくもりのある肌触りも良いです。また「木は呼吸する」と言われるだけあって、無垢フローリングは高い吸放湿性能を持っています。湿気が多いと吸収し、部屋が乾燥すると蓄えた湿度を吐き出すさまは、まさに天然の除加湿器だと言えます。
床から健康を考えるというテーマでしたが、人生の中で最も長い時間を過ごすのはやはり「家」です。
だからこそ、安心して健康で居られる「床環境」を選んでみてはいかがでしょう。
参考論文
・小児喘息、アレルギー症状とハウスダストの関連性 Bornehag et al. 2004, Bornehag et al. 2005
・ハウスダストとADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)との関連性 Kim et al. 2009
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経営企画 阿部 誠史
YUKi-NOiEの経営企画、経理を担当しています。お客様に寄り添い、つながりを大切にしたお付き合いを心がけております。
趣味はマラソン、自己ベストは2時間47分58秒です。ロードバイク、トライアスロンに向けて挑戦中。
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