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家づくりのこと地域のこと

別府市ならではの施設、お住まい

先日、別府市にある『大分香りの博物館』に行ってきました。

大分香りの博物館は、別府大学創立100周年記念事業として2007年11月29日に開館しました。“香り”をテーマとしためずらしい博物館です。旧・野津原町にあった大分香りの森博物館が所蔵していた約3,600点の香りにまつわる品々を大分県から貸与され展示しています。
世界中から集めた膨大な香水コレクションをはじめ、紀元前の香油瓶、ロココやアール・ヌーヴォー時代の香水瓶、香炉、蒸留器など歴史的に貴重な品を鑑賞できます。希少な天然香料の試嗅もできます。世界に1つだけのオリジナル香水作り体験や、ハーブガーデンでは天然温泉足湯も楽しむことができます。

別府市は元々が温泉のある保養地として栄えてきたという経緯もあり、このようなコアな技術に特化した体験施設や博物館が比較的多くある気がします。

別府竹細工もその一つです。大分県で唯一、経済産業省から伝統的工芸品に指定されており、その成り立ちは景行天皇が九州熊そ征伐の帰りに別府に立ち寄った際、お供の膳伴(台所方)が、良質の竹の多いことを発見して、メゴ(茶碗かご)を作ったことがはじまりと言い伝えられています。室町時代には、木地師(木をくりぬいたり、ロクロで挽いて椀や盆などを作る職人)が塩桶から竹を用いた塩かごを発案したことから、行商用のかごが販売のために生産されるようになったともいわれています。

江戸時代に入ると、日本一の温泉地別府の名が全国に広がり、各地から別府へ湯治客が集まるようになったのです。湯治客が滞在中に使用した飯かご、米あげざるといった竹製の台所用品が土産品として持ち帰られ、竹細工がたくさん作られました。
こちらは別府市内にある別府市竹細工伝統産業会館です。別府竹細工の歴史や技法の解説と、緻密で優雅な個性を持つ作品を多数展示しております。展示以外にも竹工芸を体験できる研修室やミュージアムショップ、カフェなども併設されております。また、竹細工に従事している人が各種の機械や設備を利用することができる工芸棟も併設されております。竹の教室」や「後継者育成事業」など、別府竹細工の将来を担う若手の技術研鑽や修得の場として利用されています。
研究棟では、またこのような因果があってか、竹を使った温泉冷却装置というものもございます。
別府市にある源泉は場所によっては100℃近い温度のところもあります。これを温泉に使用しようと思うと温度を40℃までなんらかの方法で下げなければなりません。一般的な方法だと、夜間に湯舟にお湯を溜め自然冷却する、もしくは機械を使用して冷却するかのどちらかです。しかしながらこの方法の場合、夜間は温泉が使用できない、温泉の硫黄分の影響で機械が長持ちしないという問題点があります。
しかし、この竹を利用した冷却装置は気化熱により瞬時に温泉を冷却することができる上、非常にシンプルな構造のためランニングコストを抑えることができます。正に別府市だからこそ生まれたような技術のように思われます。
家づくりにおいて別府市ならではのお住まいの造り方があります。
場所によって温泉の成分が濃すぎるため、お住まいの外壁等の劣化が激しくなる場合があります。このような事情からお温泉の入った浴室を別棟もしくは突出して造るというお住まいの造り方が昔からあります。
こちらのお住まいは住宅と浴室を完全に切り離して造られております。イメージ的には露天風呂に入るような感じです。正に別府市ならではのお住まいの造り方です。
別府市の場合、温泉をご自宅にひかれているお住まいが多数あります。その場合、ユニットバスではなく職人さんの手によって浴室を手作りします。こちらのお住まいもその一例です。壁と天井には湿気に強い桧の無垢板を貼っています。更に温泉特有の水垢である温泉スケルが掃除し易いように浴槽の天板には無垢の御影石を貼っています。また、洗い場に関しても汚れがあまり目立たないように豆砂利の洗出し仕上げにしております。こちらも正に温泉ならではの浴室の内装の造り方です。
こちらのお住まいでは温泉浴室と併設してプライベートコートが設けられております。一般的な浴室とは違い、温泉ではゆったりと時間をかけて、温まる、冷ますを繰り返す温冷浴のような入り方をされれる方が多々いらっしゃいます。こうした場合はこのようなプライベートコートが役に立ちます。
ただ、外部からの視線を遮るように木製の格子によって囲まれております。これも温泉ならではの浴室の造り方です。
このように別府市には独自の文化やコアな技術に着目した施設やお住まいの造り方があります。それらをしっかりと伝えていくということも地元に根差した工務店の役割の一つのように思います。

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設計 サングレ 里穂

2022年4月入社しました。まだまだ設計の経験は少ないですが、大好きなモノづくりの仕事に携われる喜びを忘れずに、日々、勉強と業務に励んでいます。今後ともよろしくお願い致します。

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