最近よく見かけるようになったガルバリウム鋼板を外壁に貼ったお住まい、見た目はシャープでかっこいいけど耐久性やメンテナンス性など色々と気になることがあるかと思います。そこで今日はガルバリウム鋼板の外壁材の特長、メリットやデメリット、採用される際の注意点について解説させて頂きたいと思います。
①ガルバリウム鋼板とは
ガルバリウム鋼板とは、「アルミ亜鉛合金めっき鋼板」でアルミニウムと亜鉛を主とした金属板の一種で、外壁材・屋根材として用いられます。アルミニウムの耐食性と亜鉛の防食作用により、20年以上の長期にわたり錆を防ぐことができます。耐用年数は25~30年と言われ、メンテナンス周期も長く、非常にコスパの良い材料と言えます。ひと昔前に普及した鋼材は「溶融亜鉛めっき鋼板」通称「トタン」は全くの別物です。
②ガルバリム鋼板を用いた外壁材の種類
ガルバリウム鋼板の外壁材には主に形状の違いにより、いくつかの種類があります。
・ガルバリウム鋼板スパンドレル
最もポピュラーなガルバの外壁材でよく用いられているのを目にします。凹凸が小さいので非常にスッキリとした印象を受けます。
・ガルバリウム鋼板角波板
住宅はもちろんですが、店舗や事務所などでもよく用いられています。外壁材を固定するためのビスがそのまま仕上げとして見えているのも特徴です。また、通常は山の幅が広く、谷の幅が狭いですがこれをあえて逆転させて山の幅を狭く、谷の幅を広くして用いる場合があります。通称「逆成型」と呼ばれており、通常の角波板と違うスッキリとした仕上がりできる裏技のようなものです。
・ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き
縦ハゼ葺きは一般的に屋根材として使われますが、それをそのまま壁に貼ったものです。屋根と壁が全く同じ材料で作られるため、建物自体がガルバの殻で覆われているような印象となり、インパクトの強い外観になります。
・ガルバリウム鋼板小波板
昔ながらの「トタン板」とほぼ同じ形状と施工方法ので用いられるガルバリウム鋼板です。メリットとしては最もコストを抑えることが出来るという点です。ただ、防水性能を不安視される方もいらっしゃいます。
③ガルバリウム鋼板外壁材のメリット
・錆びに強い
絶対に錆ないというわけではありませんが、非常に錆びづらいです。
・長期耐久性が高い
色褪せは起こり、メンテナンスフリーというわけではありませんが、耐久性は25~30年はあり、正しくメンテナンスを行えば40年以上の耐久性が期待できます。
・汚れがつきづらい
他の外壁材と比較すると汚れやカビ、コケなどが非常につきづらく、定期的な清掃を行わなくても、完成時の美しさを保つことが可能です。
・デザイン性が高い
ひとえにガルバリウム鋼板と言えど、様々な形状や色があるため使い方次第で大きく印象が異なります。また他の材料と組み合わせることで、デザインのバリエーションも広がります。
④ガルバリウム鋼板外壁材のデメリット
・再塗装が困難
汚れなどが付着しづらいため、塗装乗りも悪くなります。塗料の定着が甘いとわずか数年で塗膜が剥がれ落ちることがあります。絶対に再塗装できないわけではありませんが、高い技術を要するため、高コストになる場合もあります。
・開口部周りのシーリングが劣化する
開口部の周りはシーリング処理をするため、10年以上経つと劣化してきて、シーリングの打ち替えが必要になることがあります。
・錆びにくいが錆びないわけではない
非常に錆びにくい材料ですが、塩害やもらい錆が原因で錆びることがあります。その際には錆おとしや保護塗装などの適切なメンテナンスが必要です。
・形状や商品によっては高コスト
形状や施工方法の違い、かなりのコスト差が生じます。製品によっては左官壁仕上げよりも高コストになる場合もあります。採用前にしっかりと検討が必要です。
⑤ガルバリウム鋼板外壁材を採用する際のポイント
・木製格子と組み合わせで和モダンな外観に
黒いガルバと明るい色の格子を組み合わせるといい感じのコントラストで、お住まいの外観が和モダンな印象になります。
・木の庇をアクセントに
ガルバの外壁にあえて木製庇や板張りの屋根を設けると、それだけで非常に良いアクセントになります。
・ナナメ貼りをするとより存在感が
屋根勾配に合わせてあえてナナメにガルバを貼ることで、よりテクスチャーが引き立ち、印象的な外観になります。ここでポイントになるのはあまり窓を設けず、設けてもアクセント程度にしておくことです。その方が壁面が引き立ちます。
・ブラック以外の色もオススメ
一般的によく見かける「ブラック色」以外にもシルバーやブラウン、ギングロなど多数の色があります。建物形状やお好みに応じて使い分けることで、外装デザインのバリーエンションも増えます。
⑥まとめ
ガルバリウム鋼板は、長期耐久性が高く、カビや汚れにも強いので日常的に清掃をしなくても完成時の状態を長く保つことが出来ます。ただメンテナンスフリーというのは言い過ぎで、窓周りのシーリングの打ち替えや色褪せが激しい場合には再塗装が必要になる場合もあります。もらい錆を起こした際にも適切な処置が必要です。
ただし、その軽さから高い耐震性能と、ミニマルな高いデザインを実現できます。また、採用する色によっても印象が大きく異なります。外壁材として十分に検討する価値のある外装材ではないでしょうか。これからお住まいづくりをお考えの方は是非ご一考ください。
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設計 幸 康史
YUKi-NOiEの設計を担当しています。お客様のご希望はもちろん、建物の建つ敷地の特性を活かした住まいづくりを心がけております。
趣味はマラソン、自己ベストは2時間52分42秒です。
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