弊社の専務が、日本文理大学の臨時講師を行うということで、私も手伝いに行きました。テーマは「社寺建築」です。
まず、一般建築との違いについてですが、社寺建築は檀家さんなど一般の方の寄付という形でお金を集め、材料の選別購入から刻み・加工は手作業にて行われるので、比較的工事期間が長くかかります。
また、江戸時代後期に確立された「木割」をもとに各部分の比率が決められ、寸法や組方も決められています。決まった部材を組み合わせてつくる、というところで言うと、現在のプレハブ住宅に近いところがあります。
一番の特徴は、屋根の流れ方向や軒先の「反り」と呼ばれる曲線で、ボールが一番早く転がり落ちるサイクロイド曲線をもとに決められている、という設もあります。この反りは、現代建築にも応用されており、様々な建築家によっても応用されております。
最後に「一芸に秀でる者は多芸に通ず」という言葉があるように、学生に一つのことを極めていくことで、物事の本質をとらえ、あらゆる分野にも通じていくという言葉を伝え、締めくくっておりました。
設計・企画 早坂 環